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July 2009

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2009年7月25日、鳥海修講演@出版UD研究会、うろおぼえメモ (3)

(1, 2, 3, 4)

本文書体(ほんもんしょたい)

  • 最初の方にも本文書体が大事だといいました
  • 本文書体とはなにか、どうあるべきか、これについては自分でもうまく整理できていない、なんとなく話すのでなんとなく理解してください
  • 日本語の文は、5種類のことなる文字を使います。漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット・記号
  • 日本語の本文書体では、それぞれの文字種に違う系統の書体を使いながら、一つの紙面に並べます、なぜかそうします
  • これはほんとに不思議だけど、とにかく、そうじゃないと不自然
  • ゴシックでは5つの文字種にほとんど書風の違いは出ない。でもゴシックはふつうの本文書体にはなりません。たとえば小説をゴシックで組むと書体の主張がどうしても強くなる

  • 書体、特に本文書体に、よいわるいはあるのかというと、あります

  • (3種類の書体見本をみせる)
  • 最初の書体ですが、この書体は、画数の多い字が黒すぎ、画数の少ない字が白すぎます。ちなみにこの書体は「MS 明朝」という書体です。
  • こういう書体でいろんな漢字をびっしり並べてみると、画数の多い文字のところで紙面にムラがみえて気になります。それに、画数の多い字がつぶれて読みにくく感じます。
  • 2つめと3つめの書体はそんなことがなくて、簡単な字と複雑な字での、黒さの差が少なくなってますね。(小塚明朝とヒラギノ明朝だったとおもう、スピーカーの鳥海さんはヒラギノつくった人)
  • ちゃんとした書体ではこうやって、画数の多い字で線を細くしてやっています、そうして字紙面でのムラを少なくしています

  • 書体の完成度が高い低いというのは、やっぱりあるんです。その目安として、まずは、これが守られているかどうかが重要:

  • 線の太さについては、(細い) 漢字 < ひらがな < カタカナ < Alphabet (太い)
  • 字の大きさについては、(大きい) 漢字 > ひらがな > カタカナ > Alphabet (小さい)
  • 画数の多い字と少ない字のあいだで、マスの中の黒の量にバランスがとれているか、極端な差がないか

  • 書体がいいかわるいかは、目的に合うかどうかによっても変わります

  • ひとつめは、書体のイメージと利用するジャンルのマッチング。たとえば文麗仮名は、近代日本文学のために作りました
  • ふたつめは、書体の機能と利用する場所のマッチング。ディスプレイに映すのか、新書判に印刷するのか、でかい看板に使うのか。

ユニバーサルデザインの書体

  • 視認性がいい、ぼやかしても読める書体
  • 弱視の人でも読めるように設計されている
  • 注意してほしいのは、ユニバーサルデザインは「どこでもつかえる汎用デザイン」「この書体を使うだけでユニバーサルデザインになる」じゃないということ
  • たとえばこの京都駅で配っていた観光パンフですが、「ユニバーサルデザインの書体を使っています」と書いてあるんですが
  • こんなに細かい文字でびっしり文章が印刷してあります
  • これは違うだろう、と。そもそも UD(ユニバーサルデザイン)フォントは、長い文章を組むようには作られていないんです
  • いろんな書体メーカーが UD フォントを出してますね、モリサワとか、大日本スクリーンとか。何年か前、新聞の書体がこぞって変わって大きくなりましたが、あれも同じ流れだと思います
  • だいたい共通しているのは、文字を大きくする傾向にあるということ、ぼやけたときに字画がくっついて見えにくいようにしているということ
  • たとえばこの”C”と”O”を比べるとわかりやすい。C がぼやけたときにつながってOの形になるのはまずい、だから、Cの最初と最後の角度を変えて、Oにならないようにする
  • そういう設計をするとトレードオフというのが必ずあります。
  • 基本的に、UDフォントは、短い言葉の看板とかタイトルとか、文字の取り違えが起こると困る、という場面で使うものです。これを本文書体に使うと、形にちょっとした違和感があったりして、見た人が引っかかってしまう
  • 一時期のK社文庫がその意味でひどかった。私は、そのとき読みたい本がK社文庫だったら絶対買わなかったくらい。
  • 書体そのものはとても良かったんです。でも組み方が、とにかくひどい。「見やすくなる」と称して、書体を大きくして、でも1ページの字数を変えてなかった。その代わり、行間を詰めていた。こういうことをするとひどく読みにくくなる。
  • 話を聞くと、犯人はK社じゃなくて、そこに売り込んだ書体メーカーの営業の人だったらしい。「見やすくします」と言って、大きくした書体を売り込んだらしい。
  • いまのK社文庫は改善されて、よくなってます
Jul 31, 200920 notes
#typography #transcript #talk #texts
2009年7月25日、鳥海修講演@出版UD研究会、うろおぼえメモ (2)

(1, 2, 3, 4)

日本語の文字の歴史

  • 日本語の文字をやるには、まず中国から始めないといけない
  • 甲骨文字。殷墟でみつかった紀元前15世紀のが最古。これは基本的に引っかいてかかれた文字で、まだ筆じゃない
  • 金文(きんぶん)。土の型に彫って、鋳造していた文字。
  • 甲骨文字も金文も、今でもすこし読めちゃう文字がありますね。これは「王」っぽいとか「子」っぽいとか
  • 石鼓文(せっこぶん)。ここまでは、彫られたり刻まれたりした文字です。
  • 篆書(てんしょ)。始皇帝がつくらせた書体。いまでもハンコで使われてますね
  • 篆書から筆の字になる。このころの筆は今みたいに使いやすくなくて、例えば「はらい」は書けなくて全部の画で行って戻って止める、をやらないといけなかったと言われてます
  • 隷書。奴隷が発明したということになっている書体。篆書より書きやすくて人気が出た。三国志あたりの時代にはよく使われてた。『レッドクリフ』でも関羽がこれを書いてて劉邦が「おまえ書はうまいな」といってたり。
  • 楷書。隷書と楷書の中間的な書体ということで有名な爨宝子碑(さんぽうしひ)。
  • 顔真卿(がんしんけい)の楷書。
  • 王義之(おうぎし)。書聖、書道の神様。この人の書だと言われるものはひとつも現存していない。ある時代の王が死んだとき、彼の書を全部墓に持っていったといわれている。いまあるので一番忠実な模写といわれるのは、この虫食いで消えた部分までそのまま移してある模写。

  • ここから日本に入ります。

  • 空海の書簡。ここにはいろんな書風がはいってる、この字は隷書、この字はがんしんけい、とか。
  • 空海は中国に留学(遣唐使船に密航)して中国でずっと勉強した
  • 最澄はすぐに日本に帰ってしまっていた
  • 空海は中国でまなんだ書の知識おみせびらかしたかったんじゃないかとおもう
  • このときの字は完全に中国の字
  • 小野道風(おののとうふう)
  • 和様のはじまり。この、紙をなぞって書くのが、和様なんです。横画をまっすぐ書かず、ゆるやかな波が入る
  • 中国では、最初に引っかく文字、彫る文字ができて、そのあと筆の文字が出た、だから筆圧が強い、字はかっちりしていて、幾何学的な形をしている
  • 中国の書は入木(にゅうぼく、じゅぼく)の書だといわれます
  • 日本の書は、彫る段階はなくて「いきなり筆」からスタートした
  • 紙を筆で軽くなぞって書く、筆を自由に動かして書く文字
  • かな。漢字の音を借りて、形を崩してできた文字ですね。
  • 女の人が作って広まって行った
  • 日本の文字は女の人が作っている、ギャル文字もそう
  • 男は女が作った文字をあとで使い出す
  • 連綿体。中国からきた漢字はもともとどれも正方形の形。かなは、細長かったり小さかったりつながったりする、むしろ正方形から抜け出そうとする

  • 明朝体。江戸時代に使われだした。

  • 萬福寺の写本。明朝体活字の版木として現存している一番古いもの。(たぶんこれ http://www.obakusan.or.jp/culutre/culture2.html )
  • いまもこのお寺にいくと、この版木で印刷されたものが買えます
  • ただしこの版木は、中国で作られたものを模造したものなんです
  • 明治時代になって、活字で漢字とかなを組むことが本格的に始まった
  • これは初期の印刷物のひらがな。全部ひらがなで印刷された新聞です。ひらがな1文字を正方形のマスに入れようとはぜんぜんしていなくて、いろんなところがつながっている、連綿体から抜けだしていない
  • こちらは、ひらがなも全部正方形になってる、漢字とかなを混ぜて組んだもの。漢字は明朝。だいぶ今の印刷物に近いけど、まだひらがなには筆の文字っぽいところがありますね。
  • 明朝体にはもともとひらがなはないんです、いまの書体でも、明朝体のひらがなは、実は楷書に近い書風をしている。
  • 完全に明朝体の書風にされたひらがなも、このころに作られたことがあります、でもなぜかダメなんですね
  • 明朝体の漢字と、ホントの明朝体のひらがなを合わせて組んで印刷すると、読んで何か引っかかる、ヘンだと言われる、使ってもらえない。
Jul 30, 200919 notes
#typography #transcript #talk #texts
2009年7月25日、鳥海修講演@出版UD研究会、うろおぼえメモ (1)

(1, 2, 3, 4)

鳥海修(とりのうみ・おさむ)

  • 多摩美に二浪して入った。そのころはプロダクトデザインをやりたかったけど、入れなかったのでグラフィックデザインに。
  • ポスターとかには全然惹かれなかったが、レタリングに出会ってこれだと思った。
  • そのときの先生が篠原栄太先生、最近だと『官僚たちの夏』の題字を書かれてます
  • 当時毎日新聞で書体を作っていた、小塚昌彦さんたちの仕事場を見せてもらった
  • そこで、はじめて活字制作というものを知った
  • 見たのは、活字の原字をとにかく精密にかいているところ
  • すごくきれいな字だと思った。最初見たときは「この人は、なんでここまできれいな字をかこうとしてるんだろう」と思った
  • 社会にあふれている新聞や小説の字の形を、一個一個、人間が手で作っているという衝撃
  • そのときまで、活字を人が作ってるなんて思ったことがなかった

  • 小塚昌彦「文字は水であり米である」

  • 活字というのは、いまの人の知的活動の基礎になっていると思う

  • 思想とか哲学とか、すべて書物を通して学んでいる、そして書物は活字でできている
  • もちろん内容が第一、だけど活字の良し悪しによって伝わり方が変わる
  • だから、活字、とくに本文書体(ほんもんしょたい)はすごく大事
  • 空気や水のように、存在を感じさせない文字が理想
Jul 30, 200913 notes
#typography #transcript #talk #texts
“これから書くことは新しくはありません。
この後の手紙では、自分の生き方と行いによって試験されたこと以外は書かないでおこうと思ったからです。
そこからあなたが何かを学べればと — 将来出会うであろう災難や苦痛を、少しでも除くことができればと思います。 (私の死後の遠い未来、たとえば2013年のあなたが、辺りを歩く光景を思い浮かべるとわくわくします)
せめて、あなたの父親が、この第二次世界大戦の最中にどんな人間であったかが伝わったなら、私にはそれで充分です。”
—One of the Letters from Paul M. A. Linebarger to his daughter (via this quote)
Jul 30, 20091 note
#quotes
Jul 30, 20094 notes
#texts #typography
“憂は美希と手伝うよ何度もどんな用だってと君は言う(回文)” —twitter検索/ja/回文 - aquaflow (via nopnop)
Jul 30, 20092 notes
“命とは、セックスで感染した病気である。
byガイ・べラミイ”
—

生と死の格言 (via iterwtt) (via kisato2) (via ak47) (via takaakik) (via apprie) (via jinon)

Life is a sexually transmitted disease. (Guy Bellamy, Author)

Life — and I don’t suppose I’m the first to make this comparison — is a disease: sexually transmitted, and invariably fatal. (Neil Gaiman, Author)
(命とは — はじめて言及する人間が私だとは思わないが — 病気である。性行為で感染し、例外なく死に至る。)

Jul 19, 2009457 notes
#quotes #translation
Jul 17, 20091 note
#typography
“「でもやっぱり紙は残る」なんていう発言をする編集者たちに、「紙がそもそもないのが世界の情報環境のデフォルトだ」というのはおどろくべき事実なんだろうか。” —I am gathering you (via suchi) (via yuco) (via jacony) (via masaka) (via ishibashi)われながら読み取りにくい発言だ。UNUはワンラップトップパーチャイルドとかで、ラップトップを子供たちに配るっていうのをやっている。ネットワークはまだまだ配られてないから、じゃあCDにするかーっていって僕たちは一生懸命さっこんのCMS、たとえばワードプレスとかMTとか(2002年とか3年とかだったな)からスタティカイズ(staticizeっていってた)してCDにサイトをまるごとやけるのを探して、最終的にはwget自作して、それをくばったりした。そのときにボスたちが実際にそういう情報を大量につめて配ったときに、彼らに与えられた情報量は彼らが紙で読んできた量に匹敵するほどだった。これから識字率がこうした国々であがるとき、彼らが最初にてにする最大の情報デバイスはネットワーク、コンピュータのモニターであって紙ではない。もうすでに世界の多くの人にとって紙は「昔そういうのがある種の国ではあったよ」っていうものでしかないし、一年間にそういう人のかずは世界でならば数千マンのオーダーで増えて言っている。デジタルネイティブとかデジタルディバイドっていうのがシュールに体験できたのは日本ではなくて彼らとビデオチャットをしたときだった。 (via toukubo)
Jul 16, 2009243 notes
Jul 16, 2009
Jul 16, 20093 notes
#texts #typography
Jul 16, 20093 notes
#texts #typography
Jul 16, 20091 note
“

►Irony is pronounced eye-ruh-nee (like the name Ira + knee). Don’t say eye-ur-nee.

►Library is properly pronounced ly-brer-ee. Don’t say ly-ber-ee, as if the word were spelled liberry. It is a place of books, not berries.

”
—

Daily Kos: State of the Nation

r ではじまる、強勢のない音節は、母語話者でも発音しにくいらしい

Jul 6, 2009
“

人類は、ほかのなによりも、人類のことをもっともよく研究してきました。

ほとんどの言語は、人間同士の関係や欲望を表現することを核としてできあがっています。

ひとりの人間ができることというのは、この知識を、もう一度エンコード (re-codify) すること、つまり、 その人が生きた時代の非人間的(科学的)知識からなにか新しいヒントをつかみとり、 それをもっとも明確な、利用しやすい形式をとった、自分独自のバージョンに変換することなのです。

”
—

One of the Letters from Paul M. A. linebarger to his daughter

(via this quote)

Jul 4, 2009
#language #quotes #translation
“

重要なことほど単純なのだと、わたしは思います。

複雑なことは、ほとんどの人にとってはわずかな影響しかなく、ごく限られた人だけに大きな意味を持ちます。

もし複雑なことが昔から重要なものだったとしたら、人類はそれらを表すのに適した、端的な単語を発明していたはずです。

いまの世代が過去の世代よりもずっと賢くなったと考えるのは公平ではないし、人類がなにかを見落としてきたというのなら、 見落とされたそれは、人間の日常にとって重要ではなかった可能性が高いのです。 ただし、科学的には — 非人間的には — 重要なのかもしれませんが。

”
—

One of the Letters from Paul M. A. linebarger to his daughter

(via this quote)

Jul 4, 20098 notes
#quotes #translation
“

India
September 28, 1943

My darling daughter,

There is not much I can do for you, since you are on one side of the world and I on the other; but I am anxious that you profit by some lessons which it has taken me all my life to learn. The lessons are simple, not because I am a simple man, but because they are important.

The most important things are, in my opinion, the simplest. Complicated things usually pertain a little bit to everyone, or a great deal to some one person alone. If complicated things had been important, mankind long ago would have developed the word necessary to express these things simply. It is not fair to assume that the generation in which you live is much cleverer than any other generation, and if men have overlooked a subject, it is likely to be unimportant in human everyday terms, although it may be scientifically — or non-humanly — important.

Men have studied themselves more than anything else; most languages are build around the expression of interpersonal relationships and desires: all that any one man can do is to re-codify this knowledge, extracting a few novel hints from the non-human or scientific knowledge of his own time, and then putting his own version of it in the clearest and most useful terms.

What I shall write you, Johanna, will not be new; but I shall try not to write anything which I haven’t tried and tested by my own living and doing.

I hope that you may learn from these letters — perhaps even escape some pain or trouble in the years to come. (I love to think of you, a darling little old lady, walking around in 2013 A.D., long long after I am dead.) But I shall be satisfied if you discover, from these letters, what kind of a man your father was during the Second World War.

Lovingly your father,
Paul

”
—One of the Letters from Paul M. A. linebarger to his daughter
Jul 4, 2009
#quotes
“「ぼくたちは友だちになって、ずっと長いこと一緒だった。そして楽しかった。二人とも楽しかった。でもぼくはもう行かなかればならない。そしてもうこれっきりお互いに会うことはないだろう」
「この世ではだね、44号、でもあの世では会えるね?あの世ではきっと会えるね、44号?」
 すると彼はまったく落ち着き払って、まじめな顔でこんな奇妙な答え方をした。
「あの世なんてないよ」”
—

不思議な少年 第44号 マーク・トウェイン 大久保博 訳 (via yotuashi) (via repsychose)

“We have comraded long together, and it has been pleasant — pleasant for both; but I must go now, and we shall not see each other any more.”
“In this life, Satan, but in another? We shall meet in another, surely?”
Then, all tranquilly and soberly, he made the strange answer,
“There is no another.”

No. 44 にも 無印 にもあるシーン。(2つの版は、8割くらい違う話)

Jul 3, 200949 notes
#quotes #translation
Jul 3, 200938 notes
#calligraphy #texts #history
Jul 1, 2009314 notes
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